ミラーニューロン
ミラーニューロン(Mirror Neuron: 鏡 神経細胞)は、他の人の行動や、思考(予想)を、脳の中で再現します。
再現することにより、他の人が考えていること・感じていること、行っていることを把握しようとすることができます。
これは無意識に行われます。
ミラーニューロンシステムは、他人を思いやることができ、相手の身になって考えることができ、共感することができ、模倣することができる、人間の大事な機能です。
外的にも内的にも感染する
同時に、この機能により、他の人の行動(外的)や、思考(内的)が感染します。
行動感染(外的感染)
行動が感染
- 誰かが腕を組むと、周囲の人も腕を組む。
- みんなと食事を食べると、食べ過ぎる
- 友達とショッピングに行くと、買いすぎる。
- 睡眠不足が感染
- 禁煙、喫煙が感染
肥満が感染
マサチューセッツ州フラミンガムの住民1万2千人以上32年間のデータを元に、参加者らの体重の変化を観察した結果、
「肥満は家族や友人のあいだで感染していた。」
- 友人が肥満になった場合、肥満になるリスクは171%増加。
- 姉妹が肥満になった女性の場合、肥満になるリスクは67%増加。
- 兄弟が肥満になった男性の場合、肥満になるリスクは45%増加。
生活習慣が感染
2010年の全米経済研究所の報告によれば、米国空軍学校の士官候補生たちは、まるで感染症が広まるような勢いで健康状態が悪くなってしまったのです。そこで、3487名の士官候補生を対象に、高校時代の体力テストから士官学校の定期体力テストまで、合計4年間の記録がチェックされました。すると飛行中隊で最も不健康な士官候補生に引きずられるようにして、他の士官候補生たちの健康状態が悪化していったことが分かりました。(引用: スタンフォードの自分を変える教室)
失敗が感染
- 同じ意思力のチャレンジに取り組む人が誘惑に負けると、自分も誘惑に負けたくなる。
- ダイエットしてるのに、誰かがチョコを食べてると、つい食べてしまう。
ルール違反が感染
「ショッピングカートは店内に返却してください」と表示のあるスーパーに駐車場にカートを置きっぱなしにしておくと、他の人により、いくつものショッピングカートが置きっぱなしになりました。ゴミをポイ捨てする人まで出てきました。(引用: スタンフォードの自分を変える教室)
目標感染(内的感染)
目標、考え、気持ち、感覚が感染します。
目標が感染
ある実験では、春休みのあいだずっとアルバイトぬ励んだある学生に関する記事を読ませただけで、学生たちはお金を稼ぎたくなりました。この学生たちは少しでもお金を稼ごうとして、以前より熱心かつスピーディーに実験の手伝いをするようになりました。(引用: スタンフォードの自分を変える教室)
意思力が感染
意思力が高い人が周囲にいれば高い意思が感染しますが、意思力が低い人が周囲にいれば低い意思力が感染します。
自分が何かやり遂げたいことが有れば、意思を強く持った人の近くにいると良いです。
憂鬱が感染
フラミンガムの地域で広がっていたのは肥満だけではありませんでした。…憂うつなどが同様のパターンで広まっていました。(引用: スタンフォードの自分を変える教室)
良い習慣も悪い習慣も感染する
良い習慣も、悪い習慣も、どちらも感染します。
- 自己コントロールが感染する場合
- 自分を甘やかそうとする誘惑が感染する場合
自分の目標を叶えている人に感染する
自分の目標を既に叶えている人の近くにいて模倣しよう。
感染防止対策
距離を取る(ソーシャルディスタンス)
感染防止のためには、感染源を見つけて、感染源を避ける必要があります。
自分の目標に沿わない感染源には、五感が接触しないようにした方が良いです。
免疫力を高める(ワクチン)
下記を行うと自己コントロールを脅かすものに対する免疫反応が起こります。心理学者はこれを「反作用コントロール」と呼ぶそうです。
1、1日の始めに数分間、自分自身の目標についてあらためて考える。
2、どんな誘惑にかられたら目標をおろそかにしてしまいそうか、念のため考えておく。
目標強化で免疫をつけて、反作用コントロールの免疫反応を利用して、感染を防ぎます。
まとめ
- ミラーニューロンは、無意識に、他の人の内外両面を、脳内で再現する。
- ミラーニューロンは、他人の内外両面を理解しようとする機能。
- ミラーニューロンで、他の人の内外両面が、感染してしまう。
- 自分の目標を叶えている人に感染する
- 感染予防対策が必須
読んだ本
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