日本では家に鍵をかけることは殆どなかった

この国のキリスト教徒のあいだでは、かつて見たことがないほど、鍵が広く使われている。異教国であるわが国の家々では、鍵を使うことはほとんどない。大半の家は万人に門戸が開かれた状態である。猫は勝手気ままに出たり入ったりするし、人はそよ風に顔をなでられながら寝床で昼寝をする。使用人や隣人が盗みを働くのではないか、などとは少しも心配しない。
(引用:「ぼくはいかにキリスト教徒になったか|内村鑑三」)

これは1884年の話だ。

日本では家に鍵をかけることは殆どなかったという。

これには驚いた。

単純に日本は素晴らしいと思ったし、ご先祖様を誇らしく思った。

内村鑑三さんは、キリスト国である米国に人生の解を求めて行く。イエスキリストを信仰する米国は素晴らしいに違いない。

しかしあり得ないことが次々に起こる。同伴の日本人が財布を盗まれる。親切にされて荷物を持ってもらったら、引き換えにお金をとられる。

敬仰していた米国での出来事を通じ、

反対に日本の素晴らしさに気付かされる。